私がマジックに興味を持ったのは、中学3年生の時です。急にチャイナリングを買った覚えがあります。

そのチャイナリングは結局特に練習することもなく、人に見せる事もありませんでした。中学を卒業した春休みの時にまた急にマジックに興味が湧き、ネットでイベントを検索すると今治の商業施設で地元のマジシャンがマジックショーをするという情報を手に入れました。更に何を思ったか、そのマジシャンに観に行きます!という謎のメールを送って、返信までもらいました。

そして当日、その方のショーを観て、終わった後にメールしたものですと話しかけると、楽屋に連れて行ってくれました。その楽屋でカードマジックを見せてもらい、とても感動しました。なんとそのマジシャンはさっきまでカードマジックに使っていたトランプをそのまま私にくれたのです!

そのトランプを帰りの電車の中で誇らしげに持っていた記憶があります。その日のうちにカードマジックの本を親に買ってもらい、すぐに練習を始めました。今思うととても簡単なマジックだったと思うのですが、当時はとても難解に思え、一つ覚えきるととてつもない達成感がありました。親や友人に覚えては見せ、覚えては見せと楽しんでいたと思います。

「マジックを始めました!人に見せています!」と、トランプをくれたマジシャンにメールを送ると、「カードマジック辞典」「カードマジック入門辞典」にいいマジックが沢山掲載されているから、それを買って勉強することをお勧めしてくれました。今思えば、ほんとに素晴らしいアドバイスを頂いたんだなと思います。当時amazonなどが無かったので、本屋さんに取り寄せてもらいました。その2つの本にはカードマジックの秘密のほとんどが書かれていて、衝撃を受けたのを覚えています。更にそのマジシャンの方は、本の中にあるマジックの中からオススメのマジックに印をつけてくれて、実戦で使えるから、優先的に覚えたほうがいいよと教えてくれました。

その中でも私が一番気に入ったのが、ヴィジターです。当時の私からすると相当難しかったのですが、一番初めに覚えたちゃんとしたマジックがヴィジターでした。今でもたまにやることのある、本当にお気に入りのマジックです。

これが私の本格的にマジックをやるきっかけになった一連の出来事でした。クロースアップマジックを沢山勉強していくのですが、この後様々な事があって、ステージマジシャンへと変わっていきます。それはまた続編にて。